産地情報 | 産地リポート
需要促進に取組む姿あれこれ
今後のりの需要を如何にして増やして行くのか、その取組みにもいろいろな姿があります。生産者団体(産地の漁協など)が直接消費者に呼びかけて販売する方法や、のり販売業界団体(問屋、味付のりなどの加工業者の団体)が消費地で行うイベント、また生産、販売の両団体が共同で行うイベントも行われています。
こうした消費促進活動の具体的な方法として、のり料理教室、学校給食へののり贈呈、地域住民を招き中学校や公民館での絵巻きすし教室、地域産物イベントでの試食販売などが行われています。
大変地道な活動です。大都市での派手な宣伝を行なうほどの資金はありません。少ない資金で効率良くのりの「価値」を認めて頂くことに重点を置いた活動です。需要促進活動のタイプを幾つかをご紹介しましょう。
(1)学校給食への寄贈
のり業界で毎年2月6日を「のりの日」としていますが、学校給食への寄贈は、各地でこの日のイベントの一つとして行われています。のりの栄養価や食品としての価値を知ってもらおうと、各県で地域自治体の協力を得て、小学校を中心に給食でのりを食べてもらおうと寄贈するものです。
上の写真(写真1.)は、平成20年2月6日「のりの日」の熊本県阿蘇郡白水(はくすい)小学校での給食で、児童達が熊本県漁連から寄贈された焼きのりで「ジャンボおにぎり」を作り、楽しく食べているところです。
白水小学校は熊本・阿蘇山のふもとにある湧水が美味しいところの小学校ですが、おいしい湧水で炊き上げたご飯とのりのおいしさを十分味わって頂くことは、のりを作る者にとっては誠に嬉しいことです。また、子供の頃からのりのおいしさを味わって味覚の記憶に加えて頂ければ、将来の良き消費者に育って頂けるのではないかという大きな期待があります。
このような需要促進活動の他に、のり漁家の後継者達が小学校にのり摘み用の小型ボートやのり網を持参して、のりがどのように作られるのかを説明する課外授業を行ったりもしています。
特に、のり漁場に流れ込む河川の上流の山間部の小学校に出向いて課外授業を行うと、「この川がのりを作るのか」と関心を寄せてもらう事が多く、こうした時はのりを作るものとして喜びを感じるという声を、活動に参加した後継者から良く聞きます。取材中にそのような話しを聞かされると、なにか、救われるような気持ちになります。