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「恵方巻き」をイベントに
(2)「恵方巻き」による市場活性化
最近、2月の節分の時期になると、全国各地のすし屋さん、弁当屋さん、スーパーマーケットの弁当売り場、コンビニエンスストアなどで「恵方巻き(えほうまき)」の販売が目立つようになりました。
「恵方巻き」は、その年の「恵方」に向って、巻きすしを1本丸ごと食べながら声に出さずお願い事をすると願いがかなう-という行事の一つです。ことの真偽はともあれ、年に一度の楽しい家庭行事として、家族円満を呼び起こす個人的なイベントとして楽しまれるご家庭やお友達グループも多いのでしょう。売行きが良いようです。
この楽しい行事が今日のように普及する足掛かりを作ったのは、大阪海苔問屋組合(現・大阪海苔協同組合)の後継者による「大阪昭和会」のメンバーの活動によるものです。大阪では「節分の巻きすし丸かぶり」といっていますが、かなり古くから大阪、和歌山、滋賀を中心に、関西地方の一部で行われていた家庭の節分行事だと聞いています。
大阪海苔問屋組合は昭和25~6年頃から、のりの消費促進方法として、すし屋さん向けにチラシを配ったりして普及を呼び掛けていたそうですが、本格的に「節分の巻きすし丸かぶり」として、大阪・道頓堀の商店街で近畿地区の女子大生を招いて「丸かぶり早食い競争」で知名度を高める活動をしたのは昭和48年に勉強会の組織として結成された「大阪昭和会」で、昭和の終わりか平成のはじめ頃であったように思います。
上の写真(写真2.)は、平成20年1月27日に大阪・道頓堀川岸で行われた「大阪昭和会」主催による「節分巻きすし丸かぶり」の女子大生早食い競争の場面です。 このような大阪の地道な活動がやがて全国に広がり、現在の節分「恵方巻き」の販売に繋がったのではないかと思います。